1. 生命に共通してみられる特徴
生物は共通の祖先から進化したと考えられるため、次のような共通の特徴を持つ。
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細胞(細胞膜)から成る
細胞は、細胞膜によって外界と隔てられている。細胞は、生物の構造と機能の基本的な単位になっている。
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ATPを使い代謝を行う
有機物からエネルギーを取り出して生命活動に利用している。エネルギーを一旦ATP(アデノシン三リン酸)に蓄えてから使用している。
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DNAを持ち自己複製を行う
DNA(デオキシリボ核酸)という物質を遺伝情報として細胞内に保持している。
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体内環境を維持している
多細胞生物は外部環境が変化しても、細胞を取り囲む体液(内部環境)の状態を調節することで生命活動を維持している。
豆知識:ウイルスは生物ではない。
ウイルスは生物の特徴が当てはまらないので、ウイルスではない。
- ウイルスはタンパク質の殻と遺伝物質からなる粒子で、細胞ではない。
- ATPを合成しない。
- DNAまたはRNAを遺伝物質としてもつ。
- 生物の細胞内にいないと自己複製できない。
2. 細胞の種類
細胞は次の2つに分けられる。
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真核細胞…角膜が核に包まれている。
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原核細胞…角膜が核に包まれていない。
植物細胞や動物細胞は真核細胞であるが、大腸菌などの最近は原核細胞から成る。
2.1. 真核細胞の特徴
次のような膜で囲まれた細胞を内部に持っており、複雑なつくりになっている。
- 核…二重の膜(核膜)に包まれた構造。一般的に1個の細胞に1個存在する。
- ミトコンドリア…二重の膜に包まれ、内部に呼吸反応を行う酵素がある。
- 葉緑体…二重の膜に包まれた構造。植物細胞のみ。
豆知識①:核がない生物や複数持つ生物も存在する。
哺乳類の赤血球のように核が消失して存在しない細胞や、横紋筋の筋繊維のように複数の細胞が融合して複数の核を持つ細胞もある。
豆知識②:葉緑体は色素体の一種である。
色素体は葉緑体の他に、ニンジンの根などに含まれる有色体、根などに広く見られる白色体、デンプンを貯蔵するアミロプラストなどがある。
2.2. 植物細胞と動物細胞
共通点
一重の細胞膜に囲まれ、核やミトコンドリアを持つ点。
相違点
細胞壁や色素体は植物細胞に存在するが、動物細胞には存在しない。
2.3. 原核細胞の特徴
細菌などの原核細胞には、次のような特徴がある。
- 核膜に包まれた核は無く、遺伝子(DNA)は細胞質中に存在する。
- 細胞の大きさは小さく、ミトコンドリア・葉緑体・ゴルジ体などがない。
- 細胞は、真核生物と同様、細胞膜で覆われている。